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院長ブログ

『動かしているつもり』の罠!写真で見る、脳と身体の認識のズレ

感覚健忘(センサリー・アムネシア)とは?

「動いているつもり」と「実際の動き」が違う理由

「しっかり動かしているつもりなのに、実際には左右差がある」
「施術直後は楽になるのに、すぐ戻ってしまう」
「筋トレやストレッチをしているのに、なかなか身体が安定しない」

このような悩みの背景には、**感覚健忘(センサリー・アムネシア)**が関わっていることがあります。

これは Thomas Hanna が提唱した概念で、簡単にいえば

身体の感覚を脳がうまく使えていない状態

です。

「感覚がなくなる」というより、感じているつもりでも、実際の身体情報を正確に使えていない
臨床ではこのズレが、痛みや動作の非効率につながることが少なくありません。


なぜ感覚が重要なのか

身体は単純に筋肉だけで動いているわけではありません。

まず、

  • 関節がどこにあるか
  • どれくらい動いているか
  • どこに力が入っているか

という情報が身体から脳へ自動入力されます。

その情報をもとに脳が運動を調整し、動作が生まれます。

これは
感覚運動統合
と呼ばれる基本的な仕組みです。

つまり、感覚入力が曖昧になると、運動出力も曖昧になります。


実際の症例から考える「感覚のズレ」

今回、実際の患者さんで興味深い場面がありました。

仰向けの状態で両腕を頭の方へ伸ばしてもらったところ、患者さん本人は

「左右同じくらい上がっています」

という認識でした。

しかし実際には、左肩の挙上が明らかに小さい状態が見られました。

ここで大事なのは、単に「肩が硬い」という話ではないことです。

もし単なる柔軟性の問題なら、本人も「左が上がりにくい」という自覚があります。

今回のように

本人は同じだけ動かしているつもりなのに、実際には差がある

これは、

  • 肩関節の位置感覚(固有感覚)
  • 身体の左右差の認識
  • 脳内の身体地図(ボディマップ)

このあたりにズレが起きている可能性があります。

つまりこれは、感覚健忘の要素を含む状態と考えると理解しやすいです。

このような状態の方は、実際に多くおり身体の改善を阻害している要因の一つです。


写真から考えられること

今回の姿勢からは、少なくとも次のようなことが考えられます。

① 左肩の位置情報が曖昧になっている可能性

本人の中では「十分上げている」感覚でも、実際には挙上が不足しています。

これは、脳が左肩の位置を正確に把握できていない可能性があります。


② 代償動作が入りやすくなっている可能性

身体は不足した動きを別の部位で補おうとします。

この状態が続くと、

  • 首肩の緊張
  • 背中の張り
  • 肩甲帯の過緊張

につながりやすくなります。


③ 「できていないことに気づきにくい」

ここは非常に重要です。

感覚健忘の特徴の一つは

できていないこと自体に気づきにくい

ことです。

だから、皆さんが独自に運動をしても改善が緩慢な理由です。
また、施術を受けるだけでは改善しない理由になります。


施術で重要なのは「緩める」だけではない

このようなケースで、単に筋肉を緩めるだけでは不十分なことがあります。

たしかに一時的に動きやすくなることはあります。

しかし、

脳と身体の認識

が変わらなければ、元の悪い状態の動きに戻りやすくなります。

ですので、施術後に運動を行うことがとても重要になります。

運動と言っても、筋トレではなく脳と身体を回復させる運動が必要ということです。

これを怠ってしまうと施術の効果が薄れるばかりか、元に戻ってしまいます。


当院で重視していること

赤堀鍼灸接骨院では、こうした状態を

脳が身体を正確に認識できていない状態

として捉えています。

そのため施術では、

  • 触覚刺激
  • 関節位置の入力
  • 左右差の認識
  • 身体の使い方の再学習

を重視します。

目的は単なる可動域の改善ではありません。

「感じること」と「動くこと」を一致させること

です。


トレーニングの前に必要なこと

「トレーニングをした方が良いですか?」と聞かれることがあります。

もちろん運動は大切です。

ただし、感覚のズレがある状態では注意が必要です。

そのまま負荷をかけると、

  • 代償動作の固定
  • 誤った動作パターンの学習
  • 痛みの原因
  • 痛みの再発

につながることがあります。

ですので、

まず感覚入力を整え、その上で運動へつなげる

この順番が大切です。


自律神経との関係

感覚の低下は、運動だけの問題ではありません。

  • 慢性的なストレス
  • 呼吸の浅さ
  • 注意の散漫
  • 緊張状態の持続

こうした状態では、身体内部の感覚を捉えにくくなることがあります。

つまり、自律神経の状態も感覚の質に影響すると考えられます。


セルフチェック

次の項目に当てはまる方は、感覚のズレが関係しているかもしれません。

□左右差を指摘されても自分では分かりにくい
□ 同じ場所を何度も痛める
□動きのクセを自覚しにくい
□力を抜くのが苦手
□力が入っているのが分からない
□常に力が入っている感じがする
□施術後に戻りやすい


よくある質問

Q. 感覚は回復しますか?

はい。
感覚は再学習が可能です。
ただし、筋トレのように「強くする」よりも、丁寧に運動を行い間違いに気づき地道に運動を継続することが重要です。


Q. マッサージだけでは改善しませんか?

一時的な変化は出ることがあります。
ただし、身体の認識が変わらなければ戻ることがあります。


Q. どれくらいで変化しますか?

個人差があります。
特に長期間クセが続いている場合は、少しずつ感覚を育てていくことが大切です。


まとめ

今回の写真から見えてくるのは、

「動いているつもり」と「実際の動き」は必ずしも一致しない

ということです。

感覚健忘とは、

身体の感覚を脳がうまく使えていない状態です。

そのため、

  • 施術
  • 感覚入力
  • 身体認識
  • 運動再学習

この流れがとても大切になります。

予約はこちら


赤堀鍼灸接骨院より

「運動しているのに変わらない」
「施術を受けても戻ってしまう」

その背景には、単なる筋力や柔軟性だけではなく、感覚の問題が隠れていることがあります。

当院では、身体の動きだけでなく、身体をどう感じているかを大切にしながら施術を行っています。


参考文献


参考ブログ

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